外国人技能実習制度について
外国人技能実習制度を知る
制度概要
外国人技能実習制度とは、海外の技能実習生が日本企業と雇用契約を結び、日本で開発され培われた技能等を出身国へと移転することで経済発展を担う『人づくり』を目的として創設された国際協力の制度です。
日本産業分野における技能等を開発途上地域へと移転し人材育成に寄与する国際協力の推進を目指し、1993年に制度化されました。しかし、本来の制度理念には反し、技能実習生が低賃金労働者として扱われるという問題が生じ、2010年7月に制度改正が行われました。
そして、2017年、あらたな技能実習法が施行され、あらたな「技能実習生」として「監理団体」、「実習実施者」を監理監督する「外国人技能実習機構」が設立され、11月より新制度が開始されました。新制度では、監理監督体制の強化、優良な実習実施者と監理団体のみ受入れ人数の拡充と実習期間の延長が最長5年間になる技能実習3号が創設されました。
制度のメリット
- 1
国際貢献による
企業価値の向上 -
外国人技能実習制度の基本理念は、「人づくり」にあります。 制度を利用することにより日本の技術を発展途上国へ広めることができます。
それは、発展途上国の経済発展につながります。 企業のブランディングにも大きく影響することが考えられます。
- 2
活力のある
実習生の受入 -
外国人技能実習制度の対象職種に介護も加わりました。
外国人技能実習制度を活用することにより3~5年間の対象在留期間に、目的意識の高い人材を受入れ、日本の介護現場での高度な介護技術を実習で行うことができます。
- 3
企業内活性化
-
母国に習得した技能等を持ち帰るという大きな使命を背負って来日してくる技能実習生は、 非常に意欲が高く、強い達成意識のもと作業を行います。
その高い意識は、社員やアルバイトの方々に良い影響を与え、職場環境の活性化が期待できます。また意欲的に作業に向き合う実習生により生産性・効率性の大幅な向上が見込まれます。
技能実習生の入国後の流れと在留資格
技能実習生は、入国から帰国まで最長で5年間の実習期間で構成されています。
入国から最初の1カ月は、日本語や日本の生活習慣、ビジネスマナー等について監理団体で研修を行います。
その後、受入れ施設(事業所)様にて技能実習期間に入ります。
技能実習1号から技能実習2号へ、技能実習2号から技能実習3号へと移行するには、技能検定試験に合格していることが条件となります。
入国後1年目を「技能実習1号」、2~3年目を「技能実習2号」として最長3年間日本に滞在し、実習することができます。優良な実習実施者や監理団体は、最長5年間になる「技能実習3号」という区分で実習期間の延長が認められています。
受入れ方式
受入れ方式は、「団体監理型」と「企業単独型」の2種類あります。
団体監理型
- 公益法人等の非営利団体(監理団体)を通して、実習実施者(受入施設(事業所)様)が技能実習生を受入れる方式です。受入れを行う国との間で発生する複雑な手続き等は、監理団体がすべて行います。
企業単独型
- 実習実施者(受入施設(事業所)様)が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式です。実習実施者がすべての手続きを行う必要があります。
受入れ方式の主流は、「団体監理型」となっており、技能実習での在留者数は、2018年12月末時点で団体監理型が97.2%と企業単独型が2.8%となっています。
団体監理型では、海外拠点を持たない施設(事業所)様でも技能実習生の受入れを行っていただくことができます。また、人材の募集や複雑な手続き、入国に関する書類作成なども監理団体が行うため施設(事業所)様にとって負担がなく技能実習に専念することが可能です。
団体監理型のメリット
-
- 入出国に係る事務手続きを代行
- 送出し企業との資本関係要件の緩和
- 受入れ人数の制限が緩和
- 配属までの日本語講習実施
- 専任担当者の配置
- 専属通訳スタッフの配置
- 担当スタッフによる巡回サポート
複雑な入国の手続き、日本に関する教育、母国語サポートなどの施設(事業所)様がハードルと感じる部分を監理団体がサポートすることにより、技能実習の本来の目的である国際貢献により一層集中していただくことができます。
制度を利用する際の2つの要件
技能実習制度をご利用するには、2つの要件があります。
要件1 受入可能な人数枠
実習実施者(受入れ施設(事業所)様)が受入れ可能な技能実習生の数には、上限があります。
上限数は、企業の常勤従業員数により定められています。また、人数枠は技能実習生の区分(第1号~第3号)と受入れ方式(団体監理型、企業単独型)により異なります。団体監理型の人数枠
介護の団体監理型の人数枠
企業単独型の人数枠
基本人数枠(第1号)は、実習実施者の常勤職員総数によって決まります。
団体監理型では、常勤職員総数が301人以上は、常勤職員総数の20分の1となっています。
また2、3年目(第2号)には基本人数枠の2倍となる他、優良な実習実施者には上限が優遇されます。企業単独型では、第1号が常勤職員総数の20分の1、第2号が常勤職員総数の10分の1となり、優良な実習実施者には上限が優遇されます。
常勤職員数には、技能実習生は含まれません。
また、常勤職員と実習生の割合は、以下の人数を超えることはできません。
1号実習生→常勤職員の総数、2号実習生→常勤職員数の総数の2倍、3号実習生→常勤職員数の総数の3倍。
要件2 技能実習の対象職種
技能実習の職種·作業に制限があり、厚生労働省規定による「技能実習2号移行対象職種」がこれに当たります。
1.農業関係(2職種6作業)
2.漁業関係(2職種9作業)
3.建設関係(22職種33作業)
4.食品製造関係(11職種16作業)
5.繊維・衣服関係(13職種22作業)
6.機械・金属関係(15職種29作業)
7.その他(16職種28作業)
社内検定型の職種・作業(1職種3作業)
※●の職種:技能実習評価試験に係る職種 ※△のない職種・作業は3号まで実習可能。